平成元年・初演の野田秀樹(作・演出)『贋作 桜の森の満開の下』を 平成30年にNODA・MAPで“新演出”再演のエポックにあたり 舞台音楽を30年ぶりに一新。 ポストクラシカル/サウンドスケープ音楽の旗手・原摩利彦を抜擢。

■ “新演出” 舞台のエポックにあたり、30年ぶりに音楽を一新。舞台音楽に原摩利彦を抜てき 平成元年(1989年)に夢の遊眠社で初演された『贋作 桜の森の満開の下』は、野田秀樹 自らが「自分は安吾の生まれ変わり」と公言してはばからない作家・坂口安吾の小説『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』をリミックスし、新たな息吹を吹き込んだ作品。これまで数々再演をされてきた野田作品の金字塔である。

その作品を、平成が終わる平成30年(2018年)、野田が率いる【NODA・MAP】の第22回公演の演目として、日本3都市に加え、フランス・パリでの公演が決定し、現在、公演を行なっている。  当初は坂口のリメイクとして作られた作品だが、今回は野田が「自身の古典のリメイク」として “新演出” を打ち出した。キャスティングには妻夫木聡、深津絵里、天海祐希、古田新太らを迎えるとともに、30年ぶりに舞台音楽も一新するというチャレンジに、ポストクラシカル / サウンドスケープ音楽の旗手である原摩利彦が抜擢され、完全書き下ろしのトラック30曲(作曲・編曲・ストリングスディレクション・ピアノ演奏)と、舞台の効果を決める選曲を含む舞台音楽全般のクリエイティブ面を担った。

■ 異例的に1ヶ月間、稽古場の制作現場に参画し、作品の進化とともに音楽制作  仕上がった音源を渡すことが通例の舞台音楽としては異例的に、原は1ヶ月以上、稽古場での制作現場に参画。稽古で作品が進化していくプロセスとともに音楽制作を行うアプローチをとり、野田の抜てきに応えた。

■ シンプルで聴きやすいが、その奥に、「和」・「西洋」が融合する知的な仕掛け  “新演出” のために書き下ろした新作トラックは、和音階や和楽器を取り入れているが、文脈なく「和風」モチーフ用いたり、安直に「和と西洋」を掛け合わせるアプローチとは異なり、「日本的感性」を自在に駆使して作られている。

たとえば、原自身がもっとも制作時間をかけたという『夜長姫のテーマ』は、シンプルな「和風」メロディーが印象的だが、ヨナ抜き音階(雅楽に見られる日本固有の五音音階。西洋音楽から見たときの和音階)と教会旋法が完全融合している。コラール(キリスト教で歌われる賛美歌形式)調の和音が続くシークエンスは、架空の国・時代の聖歌にも聴こえる。

また、別のトラックでは、舞台の中に登場する壬申の乱前後のモチーフとリンクして、お囃子が出てくる以前の音楽として雅楽の楽器・笙が用いられている。遡れば、雅楽は、上代以前のネイティブ音楽と、アジアから伝わる音楽が融合して生まれた形態である。そこからも、原が生み出した音風景は、単純な「和」と「西洋」という二項対立する文化の融合ではなく、「西洋」も含めて、日本の中に含まれる多様さを知的に融合しながらシンプルに聴かせるという、ユニークな仕掛けがなされているのだ。

「 音楽は、入り口はシンプルで聴きやすいけれども、  ヴェールをめくると、仕掛けがあるという複雑なレイヤーを持つ作品になりました。

  野田さんがこの作品を書いたのが33歳の時。30年の時を経て、それを新たに蘇らせるにあたって、    今35歳の自分が音楽を手がけさせてもらうことになって、そのチャレンジに応えたいと思い、   半年はそのプロダクションに没頭して、出張先の海外のホテルでも朝まで作曲をしていた。  野田作品は、知的な操作がされていると同時に直感的にも磨かれていて、複雑な作品だけど、  チケットが入手困難なポピュラリティを獲得している。

 今回の音楽を手がけるにあたり、作品から感じるこの複雑なレイヤーを僕なりに咀嚼をして、  野田さんから頂いたボールを返せるかどうかが本質的な意義を決定すると思ったから、  そこを何度も自問自答して、試行錯誤することに、一番時間をかけました。 」                                                                  – – 原 摩利彦・談

■『贋作 桜の森の満開の下』

1989年に夢の遊眠社で初演された。作家・坂口安吾の小説『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』を下敷きとした作品。これまで92年、01年に上演され、昨年2017年には「八月納涼歌舞伎」にて『野田版 桜の森の満開の下』として歌舞伎化された。 NODA・MAPのラインナップとして初上演される今作には、耳男役の妻夫木聡、夜長姫役の深津絵里、マナコ役の古田新太のほか、宝塚歌退団後初めて男役に挑戦するオオアマ役の天海祐希や、NODA・MAPに初参加となる門脇麦、加えて秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、村岡希美、池田成志、銀粉蝶、そして作・演出を手がける野田秀樹が出演する。

■ NODA・MAP 第22回公演『贋作 桜の森の満開の下』

坂口安吾作品集より 作・演出 野田秀樹

● 2018年9月1日(土)~12日(水) 東京都 東京芸術劇場 プレイハウス ● 2018年9月28日(金)~10月3日(水) フランス パリ・国立シャイヨー劇場 ● 2018年10月13日(土)~21日(日) 大阪府 新歌舞伎座 ● 2018年10月25日(木)~29日(月) 福岡県 北九州芸術劇場 大ホール ● 2018年11月3日(土・祝)~25日(日) 東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

<CAST> 妻夫木聡 深津絵里 天海祐希 古田新太 秋山菜津子 大倉孝二 藤井隆 村岡希美 門脇麦 池田成志 銀粉蝶 野田秀樹

池田遼 石川詩織 織田圭祐 神岡実希 上村聡 川原田樹 近藤彩香 城俊彦 末冨真由 手代木花野 橋爪渓 花島令 藤井咲有里 松本誠 的場祐太 茂手木桜子 吉田朋弘 六川裕史

<STAFF> 美術:堀尾幸男 照明:服部基 衣裳 ひびのこづえ 音楽・効果 原摩利彦 音響:zAk 振付 井手茂太 美粧 柘植伊佐夫 舞台監督 瀬﨑将孝 / 松浦孝行

企画・製作 NODA・MAP

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株式会社KAFUN
担当:梅澤さやか(うめざわ さやか)
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