音と旅する鉱物展 九州大学総合研究博物館コレクション
Journey Through Minerals with Sounds - The Kyusyu University Museum Collection (2019)

2019年12月21日-2020年1月26日
三菱地所アルティアム(福岡)

Dec 21, 2019 - Jan 26, 2020
ARTIUM (Fukuoka)

Nondirectional Speaker, Parametric Speaker, Vibration Speaker, Sub-Woofer
Multi-Channel Audio

 鉱物の音を考えたとき、最初にじっと動かず何も音を発しない石、すなわち沈黙を思い浮かべた。しかし記憶を探ると、奈良県談山神社で観た能舞台での切り火をする火打石があった。またフランスのニースの石浜では、波に引かれ、ひしめき合うように無数の丸い石たちが鳴っていた。その他、石にまつわる音として、石琴のような楽器。少し拡大解釈を許せば、夜中にしくしくと泣くという「夜泣き石」の言い伝えや芭蕉の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」も入れられるだろう。

 鉱物は数百万年、十数億年をかけて変化してきた結果である。時には植物も地層の中に沈み、長い時間を経て化石になり、鉱物の仲間になる。我々が日頃感じている感覚をはるかに超える長大な時間の表現に、音楽あるいは音は有効だと主催者は考えたという。

 鉱物を叩いて音を録音したり、隕石もあったのでNASA(アメリカ航空宇宙局)が公開している音を使ってみたり、どうすれば来場者が自由に想像力を膨らませながら鑑賞できるかを試行錯誤した。

 京都新聞「現代のことば」2020年1月掲載「音の重なり」より抜粋