長崎 Nagasaki
NODA・MAP《正三角関係》の行き着く先は長崎の原爆です。稽古初日が近づいてくるも、なかなか核心に迫る音楽が書けずにいたので、長崎を訪れました。本編で使われている波の音はそのときに録音してきたものです。
長崎の原爆資料館に展示されている写真。焼けこげた子どもたちの写真を見て、SNSで毎日タイムラインに流れてきていた無惨に殺されたガザの子どもたちの姿と全く同じだと思いました。たった80年前に日本でもこのような悲惨な風景が広がっていたことを想像して胸が苦しくなりながら展示室を出ると、男性の老人が椅子に座って静かに泣いていました。
今回、『正三角関係』のメインテーマは長崎の原爆の犠牲者たちとパレ スチナ、そして今も世界各地で傷つけられている無実の子どもたち、人々のことを強く思って書いています。せめて劇中の中だけでも自分の音楽が救いであるように。
ぜひ本作をご覧になられると、必ず胸に響くものがきっとあると信じています。その気持ちをこれ以上子どもたちが殺されないように、傷つけられないようにする世界にむけてほしいと思っています。
原 摩利彦